私が遺してもらったもの

【今回の投稿は専門用語が多いです。めんどくさい方は読み飛ばしてください☆】

こんにちは。右田です。

先日、調子が悪くなった動噴(動力噴霧器)を分解し修理していました。

※動力噴霧器とは水をポンプで吸い上げ、霧状にして散布する機械です。通常は農薬散布や灌水。葉面散布等に使用します。

一般的なものは、ガソリンエンジンとプランジャーポンプと言われる機械がベルトで繋がり対になっています。

そのプランジャーポンプのシリンダーに異常があるのがわかり、すぐに修理をスタート。急ぎだったんですが、なんとか小一時間で直す事ができホッとしました。

パッキンを抑えるシリンダーの一部が外れている大事故。。

ちなみに、この動噴は父が亡くなる直前に購入したものらしく、ほとんど使うことがなかったそうです。

数年後に倉庫で眠っていたこの子を見つけ、試行錯誤して動かすことになります。(その話はまた別の機会に)

農家には農業用の機械もたくさんありますが、メンテナンスも大変です。

修理なんて、プロにまかせるのが良いに決まってる!

ほんと、そうなんです。

時間、コスト、リスクを考えると間違いなくそれが正解です。

確かにそうなんですが、急ぎであったり、すぐに使わなければいけない時など、自身で対処できる、または応急処置ができると助かることもけっこうあったりします。

わざわざこれから学ぶのはどうかと思いますが、分かる範囲であれば自分でやってみるのもアリではないでしょうか。

じゃあなんで私はそんなことやってるのかというと、

父に叩き込まれたからです。

では父は私に、将来役立つから、修理にお金がかからないから、臨機応変に対応できるように私に教えたのか。

いえきっと違うでしょう。

ただ、自分の感動を息子にも伝えたかったからです。

メカの中味。

そこには人の想像力と知恵と工夫が詰まっています。

「こんな形で、こんな動いて、こんななるんだぞ!
これ考えた人凄くないか!!」

いつもそんなこといってました。

また、初めてガソリンエンジンの中を見たときは感動した、とも。

かつての誰かの熱量と夢がそこにあると言ってました。

きっと息子にも同じように感じてほしかった。

たぶん、それだけでしょう。

代々受け継いできた畑と、同じくらいのマイナスも残してくれた先代と先々代。。

感謝の気持ちと同時に、ちょっと複雑な時期もありましたが…

いやいや。しっかりと遺してくれています。

「ふーん、こんななってるんだー。なるほどねー。

…ということは、ここをこうして、、ほらやっぱり」

なんて一人でブツブツ言いながら、畑でメカいじりをしている私がいます。

それはお金では絶対買えないモノなんです。

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